銀河鉄道〜1970年代の高校生フォーク・ロックバンド
1970s Japanese High School Folk Rock Band
銀河鉄道MILKY WAY
海外移住した1970年代の高校生フォーク・ロックバンドの軌跡
1971年、15才で作詞/作曲を手がけた「遠い昔」をきっかけに結成された高校生バンド『銀河鉄道』。全国フォークコンテスト最年少優勝、プロデビュー、そして幻の2ndアルバム「ミルキーウェイ」——その軌跡を記す。

「オレ、曲作ったんだ。歌詞付けてくれないかなぁ。」幼馴染みの牧良夫(a.k.a. ヨシオ・J・マキ)にこう言われたのは1971年のある日だった。僕は牧のメロディーに合わせて生まれて初めて歌詞を書いた。そして「遠い昔」という歌が生まれた。
その時、牧と僕は15才だった。年令とはギャップのありすぎるタイトルの歌だったけれど、この「遠い昔」がきっかけとなって『銀河鉄道』が誕生し、レコードデビューする事になるとは想像もしていなかった。
1970年代の中高生は誰もがギターをかき鳴らしていた。牧と同じ団地に住む鈴木大治郎もギターがうまい。エリック・カズ、ボビー・チャールズ、ジェームス・テイラー、CSN&Y——FENを聴き、ミュージックマガジンを回し読みし、ロック、ブルース、ジャズ、ジャンルを問わずちょっとでも気に入った曲であれば、自然に心と身体に染み込んできた。音楽は空気のようなものだった。
牧良夫・本田修二・佐藤信彦・鈴木大治郎——音楽を空気のように吸い込んだ4人の高校生が、いかにして時代を超える音楽を生み出したか。海外移住後の軌跡もあわせて辿る。
牧 良夫
Guitar & Vocal
バンドリーダー。キャット・スティーブンスのコピーから独自のオリジナル曲へと進化。中学時代からコンテストに挑戦し高校1年で全国大会を制した。
本田 修二
Guitar
弦楽器なら何でもこなす器用さを持ち、間奏のツインリードギターはプロをも驚かせた。後にGINTE2として牧良夫と再び活動。
佐藤 信彦
Guitar
高校に「ギターの天才がいる」と噂されていた逸材。好きなミュージシャンが怖いほど他のメンバーと共通しており、即座にバンドに溶け込んだ。
鈴木 大治郎
Drums & Guitar
中学生の時にギターからドラムに転向し、半年で習得。ブルーグラスコンテスト優勝でドラムセットを入手、どこへ行くにもスティックを手放さなかった。
やがて全国大会であっさり優勝してしまったのだ。平均年齢17才の最年少のバンドだったが、その実力はダントツだった。その時の審査員で"はっぴいえんど"のディレクターの三浦光紀さんに誘われて、プロへの道を歩むことになる。
「70年代のサニーデイ・サービス」——リリースから四半世紀を経てもまったく色褪せない、はっぴいえんどチルドレン最初のバンドの音楽が、若いリスナーの手で甦った。

「懐かしさなんて微塵もない、とてつもなく新鮮な響き」——喫茶ロック委員会の田口史人はそう評した。はっぴいえんどが活動していた時期に学生バンドとして追いかけるように活動を始めた銀河鉄道は、天性のポップ・センスと情報の吸収・咀嚼力を併せ持つ「オタクにして表現者」だった。
ズバ抜けた渋いセンスの本田修二、ロマンティックな作風の牧良夫、不思議なスケールの大きさを感じさせる佐藤信彦——お互いの存在がお互いのアクセントになる理想的な関係だった。その辺もはっぴいえんどに似ている。
1975年7月発売、坂本龍一・後藤次利らをスタジオミュージシャンに迎えてレコーディングされたこの1stアルバムは、FM東京の今月の推薦曲に選ばれながらも商業的には売れなかった。しかし四半世紀後、復刻CD、アナログ盤として若いリスナーのもとへ届けられた。
1stアルバム・シングル2枚・幻の2ndアルバム『ミルキーウェイ』——1975年に生まれ、26年の時を経て復刻されたすべての音源。スピンオフ・デュオ・GINTE2の作品群とあわせて辿る、銀河鉄道の全音楽的遺産。
1975年7月、1stアルバム『銀河鉄道』発売。シングル「想い出してごらん c/w 唄をひとつ」「石油ストーブ c/w ショート・ケイク」の2枚を残し、同年録音の2ndアルバム『ミルキーウェイ』は未発売のまま1976年に解散した。
その後2001年に1stアルバムが徳間ジャパンより復刻CD化、翌2002年にはMIDI, INC.より幻の2ndアルバムが初めて世に出た。リリースから四半世紀を経て、銀河鉄道の音楽はようやく若いリスナーのもとへ届いた。
さらにHMV record shop 渋谷店の3周年記念企画としてアナログ限定盤も発売。銀河鉄道のメンバーのうち牧良夫と本田修二は、スピンオフ・デュオ「GINTE2」として現在もアメリカを拠点に活動を続けている。
GINTE2
牧良夫と本田修二によるスピンオフ・デュオ GINTE2(ギンテツ)。心に響くフォークデュオのハーモニー、銀鉄サウンドは今も健在!
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